Letter From Yosuke


2023年


1月21日|1月31日|2月28日|3月31日|4月30日|5月31日|6月29日|7月30日|8月31日|9月30日|10月30日|11月30日|12月29日|






12月29日

2023年もあとわずかになりました。
年末も竹善さんが復帰していつものありがたい慌ただしさになりました。
2024年のライブアルバムの発売に向けて制作も大詰めになりました。
マスタリングもとても良い音に仕上がりました。
自身初のライブアルバムでしたが、いい形で残せることに喜びも爆発しそうです。
エンジニアの菊池くんのおかげで、
いつも通りのライブをやる形でとても良い音が撮れました。
ライブの音をクリアに取るために楽器の間についたてを立てたり
各楽器との距離を離したりするのが通常ですが
そういうことを一切せずに録音するのは一つの賭けでもありました。
これも、普段からライブを重ねてきた武本和大くん、濱田省吾くんの
不断の努力のおかげでもあります。
5年の歳月が物語るストーリーを是非、皆様も聴いてください。

2023年も沢山のやりがいのある仕事に恵まれました。
来年還暦を迎える自分に仕事の依頼がくることに感謝の念が絶えません。
自分にしか出来ない演奏を良い形で提供できる事を考え
最大の準備と努力を怠らないようにといつも自分に言い聞かせています。
最後に毎年参加している佐藤竹善さんの
Your Christmas Night2023も竹善さんの急病で
開催が危ぶまれましたが、
12月からは無事に開催され、来年につながる大収穫でした。
KANさんに捧げるツアーともなりました。

参加作品のリリースの多い年でもありました。
録音物は限りある命が永遠に残る機会です。
まだ気力と体力が残っている間に良い演奏が残せたことを幸せに思います。

2024年も楽しみが沢山待っています。
まずは年初から始まる山本耕史さん、古澤巌さんとのDandiyism Banquetのコンサートシリーズ。
音楽監督の塩谷哲くんの素晴らしい手腕により素敵な仲間が躍動します。

そして井上陽介トリオのライブアルバムのリリース。
自身、11枚目のリーダーアルバムです。
この世に生を受けてジャズベーシストとして
11枚もリーダー作を出せるのは奇跡以外の何者でもありません。
これも支えてくれる家族、仲間、関係者、応援してくるお客様、皆様のおかげです。
さらにアルバム発売記念ツアーも沢山企画されております。

そして大西順子さんの様々なプロジェクトをはじめとする
沢山の素晴らしいミュージシャンとの共演も企画されております。
堀秀彰くんとのDUOツアーもあります!

多くの先輩や仲間が体調を崩す事が多くなりました。
自分も健康に気をつけて演奏を元気につづけられるように
日々の暮らしに気をつけたいと思います。
皆様も健康に気をつけて良いお年をお迎えください。







11月30日

何が起こるかわからない世の中です。
良いことも悪ことも。
社会のさまざまなことろで歪みが生まれています。
しかし、そこに目を奪われることなく、より良い世界を目指すことが大事です。
音楽の使命もまさにそこに。
しかし、音楽を続ける事も大変な世の中でもあります。
希望を持つこと、忍耐強くあることの大切さを思います。

堀くんとのDuoツアー、北関東東北編が無事に終わりました。
各地で熱心なお客様に来ていただきありがとうございました。
そして受け入れていただいたお店のマスター、店主、スタッフの皆様にも感謝。
ピアノとベースという一見マニアックな編成なので
お客様にアピールという部分では難しいものもありますが
ひとたび演奏が始まると、演奏の充実感は半端ないくらいです。
名手、堀くんの引き出しの多さとダイナミクス、
そして何よりも高度な音楽性を優しく聞きやすく楽しいものにする
その力によって、ジャズの本質の部分も楽しんでいただけたように思います。
また来年も引き続きライブやツアーがありますのでお楽しみに。

トリオの方も、水戸のジャズフェスティバル、
スーパードリームレイクコンサートにゲストに中島朱葉さんと共に
出演させていただいたり、
その編成で谷峨のDestureに出演させていただき充実感MAX。
さらにトリオだけで久しぶりに百合ヶ丘の「轍」で演奏して
レコーディングを経てまた成長できたように思います。

トリオのピアニストである武本和大くんのプロジェクトが南青山のBaroomであったので
お客さんとして鑑賞しました。
トリオにパーカッションとストリングスのカルテットを加えてのもの。
演奏者の素晴らしさと渾身の作曲アレンジが光るコンサートでした。
活動を共にして5年。その間に真剣に音楽に向かい、
いろんな音楽を聴いたり、見たりしたのが
全て音楽に集約されて、大きな成長を見届けることが出てよかったです。
今後の活躍にますます期待が高まります。

嬉しいニュースは子供の頃から応援してきた阪神タイガースが日本シリーズ制覇。
38年ぶりに日本一になりました。
前回は大学生の時。
あれからもうそんなに経ったのかと人生の過ぎゆく速さにも驚き。
そして優勝すらあまり期待のできない日々が続いていたので
かえって強いタイガースに戸惑ったりもしました。
そして改めて率いるボスの大切さを知りました。
もちろん、これまでの監督やコーチも種子を巻き続けた結果でしょう。
人気優先のチーム事情も覆せるパワーと戦略に脱帽です。

悲しいニュースはKANさんの逝去です。
一度レコーディングにも参加させていただいたり
個人的にも少し交流があったので
病気が発覚してからもきっと復活すると信じていただけに
ショックは大きかったです。
あんなにも音楽性も優れていて、ユーモアのあるエンターテイメントも
全力で取り組む人を他に知りません。
残された数々の楽曲は今後も聞き続けられることでしょう。
音楽の中にKANさんは永遠に生き続けると思います

交流のあった竹善さんも病気でクリスマスツアーを半分は断念せざるを得ませんでした。
こちらは毎年参加していて楽しみだったのですが、
出来なかったところの人々には申し訳なく思いますが、
12月からは復活するということで、
残りのツアーは楽しみです。
くれぐれも無理なさらないことを願います。

時代は大きな転換期を迎えているのかもしれません。
しかし、人々の心の中から未来への希望が無くならないように
お互いに励まし合うのが今はとても重要です。
そのためにもより良い音楽を演奏したいと思います。







10月30日

10月も素敵な出来事がたくさんありました。
まずは渡辺香津美さんのジャズ回帰トリオにゲストでリー・リトナーさんが加わってのライブ。
場所は恵比寿ガーデンホールにてのEbisu Jam 2023でのコンサートでした。
リー・リトナーさんと言えば、僕が高校生の頃、
ロックに飽き足らず、もっと自由に演奏できる音楽を求めて
仲間達で追求していたクロスオーバー、今でいうフュージョンに出会ったこと。
その時の仲間に則竹裕之くんも既にいて
みんなでリー・リトナーさんの、あのキレキレの演奏に痺れ
ポップな楽曲に心を躍らせたその人物です。
4年前に少しだけ共演の機会もありましたが
今回はガッツリコンサートをご一緒ということでv 生の息吹を感じることができました。
そしてシークレットゲストでデイブ・グルーシンさんも参加。
もうリハーサルから夢のようなサウンドでした。
これもずっと僕を引っ張ってくれている香津美さんのおかげです。
この日も香津美さんは負けず劣らず輝いていました。

そして自分のトリオの恒例になった秋のツアー。
ライブレコーディングも控えて磨きをかけてきた演奏も
過去最高との賛辞をたくさんいただくツアーでした。v 武本、濱田、両氏の絶え間ざる努力には頭が下がります。v 同じグループで5年も精力的に活動できたことにも感謝です。v 各地で応援してくださる沢山の人々にも感謝しかありません。

その旅程の流れで、ピアニストの高木里代子さんのツアーにも参加。
こちらも新しいCD「Midnight In Blue」の発売記念ツアーでした。
いつも新鮮なアイデアと真摯に音楽に向き合う姿勢。
メンバーを最大限に活かしてくれる心には感動します。
各地で絶大な応援を受けているのも頷けます。

そのツアーの合間に少し母の世話を。
姉に任せきりだった母の世話も、姉の体調不良により
今までよりも積極的に介助が必要になりました。
でも会うといたって元気なのに救われます。
この世に生を授けてくれ、こんな素敵な人生を歩ませてくれた
そのことを忘れてはならないと思いました。

その他、堀秀彰くんとのDUOも大好評。
ライブも大盛り上がりでNHK横浜放送局の番組にも生出演、生演奏をお届けできました。
少しずつ有観客のイベントも戻ってきて活気を取り戻してきているようにも感じます。

そして待ちに待ったボディアンドソウルでの井上陽介トリオの新しいアルバムのための
ライブレコーディングを行いました。
全国各地からも応援に駆けつけていただき満員御礼。
5年の歳月をかけて作り上げたトリオサウンドを熱気で支えていただきました。
ありがとうございました。
演奏も自分達らしいとても良いものが撮れたと思います。
会場を快く提供していただいた京子ママさんとスタッフの皆様
録音に携わっていただいた音響の菊地さん、カメラマンの高橋さん
デザイナーの横山さん、プロデューサーの山下さん
皆様に感謝です。

発売は2024年2月21日に決定し、
その日にボディアンドソウルにて発売記念ライブが決定しました。
皆様、ぜひライブの感動を味わいにお越しください。

元気に精一杯演奏できる日々に感謝を込めてこれからも精進します。







9月30日

9月も盛り沢山な月となりました。

今年の初めくらいから計画していたピアニスト、堀秀彰くんとのDUOアルバム
「Time Of Wonders」のCDが完成し、その発売記念ツアー第一弾を行うことができました。
久しぶりに伺う土地や、初めてのライブスペース、そして初めてお世話になる主催の方も沢山いらして
自分の世界がまた広がって豊かになりました。
人との出会いやつながりこそ人生の醍醐味ですね。
各地でとても熱く迎えていただいた皆様、そしてツアーを企画してくれた堀くんには感謝です。
DUOならでは演奏の醍醐味も沢山楽しんでいただけた事も嬉しかったです。
締めにクロサワバイオリン・コントラバス本店にてのインストアでの演奏でした。
そちらの模様はクロサワ楽器のサイトから楽しめるようです。 ご興味のある方は是非、ご覧ください。

久しぶりに「Good Time」のトリオのメンバー、秋田慎治くんと江藤良人くんとの演奏も感慨深かったです。
それに矢野沙織さん、小林香織さん、纐纈歩美さんという華やかなサックス陣も加わり
みんなのこれまでの歩みをお互いに語り合ったような演奏でした。

さらに久しぶりの大西順子セクステットでの演奏がブルーノート東京と、徳島のあわぎんホールにて。
皆さんの一切の妥協のない振り切った演奏は流石でした。
徳島の音楽フェスでは地元の方達の熱演も素敵でした。
沢山のスタッフの皆様もお疲れ様でした。
こちらもサプライズのお客様も各地から沢山いらしていただきありがとうございました。

トリオの活動はハマショウくんがニューヨークへ遊学に行ったために
ピットインのみでしたが、この日も海外から沢山のお客様に来ていただき
まるで外国のライブハウスで演奏しているようでした。
10月27日のライブレコーディングがますます楽しみです。

そして!ついにやりました!阪神タイガース、18年ぶりのリーグ優勝。
毎年、今年こそは、と期待を抱き、その都度、泣かされてきましたが
今年はやはり監督の手腕によるものでしょうか、
圧倒的に、いや、さほど圧倒的ではなかったかもしれませんが
勝つということに長けていたかもしれません。
改めてリーダーの力の大切さを思いました。
さて、クライマックスシリーズ、日本シリーズはどうなることやら。
ここまで来たら、力むことなく平常心で戦って欲しいと思います。







8月31日

今年の夏は暑かったですね。
そして台風や大雨の被害もあったりと
ここ数年の間では厳しい夏だったように思います。
それでもコロナ禍を少し抜けた世の中の状況は
人々に活気をもたらしたようにも思います。
しかし、まだまだコロナウィルスがなくなったわけでは無いので
引き続き感染には十分気をつけたいと思います。

今年の夏は高木里代子さんの東北ツアー、北海道ツアーもあり
お客様も沢山来ていただき、華やかな気分にさせてもらいました。
その華やかさとは裏腹に、音楽の内容は限界に挑むような
チャレンジいっぱいの演奏で、
そんなギャップもお客様の心をつかむのかもしれません。
ツアーはずっと、盟友のドラマー、則竹裕之くんと一緒で
少年時代から一緒に夢を見た世界に二人とも元気で活動できていることv その奇跡に毎日感動しました。v 改めて機会を作っていただいた里代子さんとスタッフの皆様には
感謝の意を表したいと思います。

秋にはまた同じメンバーで録音したアルバムがリリースされるということで
ますます楽しみです。

北海道ツアーに偶然、渡辺香津美さんと吉田美奈子さんのコラボのコンサートもつながりv こちらも則竹くんと一緒でした。
久しぶりにじっくりと大御所2名とお話しできたのも嬉しかったです。
そして、久しぶりに札幌のお客さんとお話しできたりしたのも嬉しかったです。
まだ、自分のリーダーのライブを北海道ではやったことがないので
近い将来、実現する事を願っております。

自分のトリオの活動としては8月は少なかったのですが
かつしかシンフォニーヒルズの中にあるレストランでコンサートを開催していただきました。
なんと早々とソールドアウトに!
レストランとはいえ、ある程度の大きさの会場に沢山のお客様に来ていただき
普段ジャズをあまり聞いたことがない人、そして聞き慣れている人
両方に満足いただけたようでとても嬉しかったです。
素晴らしいサックスの中島朱葉さんもアンコールでは飛び入りしていただきました。
またCD販売のお手伝いに国立音楽大学のベース科の生徒だった
戸坂さんにも協力いただきました。
企画、音響、照明などスタッフの皆様もありがとうございした。

忙しい日々と、煩雑な出来事の多い日々なので
気分転換に宮古島に行きました。
満点の星空、一面のエメラルドグリーンの海。
人の魂に必要な忘れかけていたものを思い出しました。
奏でる音楽もそうありたいと願います。







7月30日

無事に7月の誕生月を迎える事が出来ました。
誕生日は7月16日。
まずは59歳になるまで丈夫な身体に産んで育ててくれた母に感謝したいと思います。
その想いは年々強くなります。
そして家族、友人、仲間、関係者、
そして応援してくれる音楽を愛する皆様にも最大の感謝を捧げたいと思います。
自分が無事に活動できているのも皆様のおかげだと思います。

7月はコロナ禍も終息したと言う人々の心の動きも反映してか、
あちこちに行かせていただき演奏する機会が増えました。

その分、ハードな移動。交通手段も新幹線、飛行機、車などを駆使してタイトなスケジュール。
以前は平気と思っていたものも、歳を重ねるごとにキツくなってきました。
仕方がないですね。

それでも、演奏を楽しみにして待ってくれている方々を見ると、
疲れなど吹っ飛んで演奏に集中出来ます。
まさに皆様からエネルギーをいただいていると実感します。

今年は参加作が沢山リリースされています。
7月には細川千尋さん、デビッド・バークマンさん、
高木里代子さんのアルバム発売記念コンサートやライブ、ツアーなどがありました。
自分の演奏と音を必要としていただける事。
こんなに幸せなことはありません。
聞く人が心の底から幸せな気分を味わっていただける事を願っています。

今年の夏はなんだか猛暑の予感です。
天候も不順で大雨などの被害も出ています。
皆様、健康などに気をつけて、楽しい夏をお過ごしください。
音楽がその伴侶となり、彩りを添えるものとなりますように。







6月29日

井上陽介トリオツアー2023「One Step Beyond」第三弾も京都ラグで無事に終了し
ツアー全日程、22カ所を無事に終えました。
各地で沢山の応援をいただき、沢山のお客様に来ていただきありがとうございました。
ライブの開催を受けていただいた各会場の皆様、
手伝っていただいたスタッフの皆様もありがとうございました。
ノベルティを作っていただいたS氏とH氏もありがとうございます。
皆様に音楽だけではない楽しさを提供できました。

ツアーの全てを語り尽くすことはできませんでが
各地でトリオとしてとても良くなったと好評を得た事。
そして各地で来年もまた来てほしいとお願いされたこと。
コロナ禍がそれほど心配なくなってお客様も戻ってきた事 。
いろいろな事が相乗効果のように希望が湧く方向に向いています。

そしてそれを後押しするかのようなビッグニュースも!
今年の秋にトリオのライブをレコーディングしてアルバムとしてリリースすることが決まりました。
ライブレコーディングのアルバムを自分名義で出すのは初めてのことです。
今のトリオはライブの現場で本領を発揮するので、これは願ってもないチャンスです。
ライブレコーディングの日程は10月27日、渋谷のボディアンドソウルにて。
ぜひ、沢山の方に来ていただき、大いに盛り上がったところを収録できればと思います。

気がつけば、もうすぐ59歳。来年は還暦。
なるべく時間を無駄にすることなく、実りの多いものにできるようにと
心がけて毎日を過ごしたいと思います。
そして何よりも、周りの皆様に感謝。
人間は一人でできることは限られていますが
皆様の力添えがあれば夢も実現できる。
そんなことを毎日教えていただいているようでもあります。
さあ、もう一歩前進。







5月31日

ゴールデンウィークに珍しい虹を見ました。
母の生まれ故郷、岡山にて水平にかかる虹。
とても珍しい現象で、四国の方からも見えたようです。
何か皆様にいいことがありますように。

井上陽介トリオツアー2023「One Step Beyond」の第二弾が無事に終了しました。
この3年間、なんとか耐え忍んできたライブハウスに
その間も毎年呼んで頂き、今年は賑わいが戻ってきたのは嬉しいことです。
そして開催が3年間できなかった大鰐でのライブにも行くことができたのは嬉しいことでした。
各地でお越しいただいたお客様、本当にありがとうございました。
そして現地で奮闘していただいた主催、スタッフの皆様もありがとうございました。

トリオの演奏も一段ステップアップした手応えのあるものでした。
新しいレパートリーも板についてきました。
ライブで本領を発揮するトリオですので是非ライブを見ていただけると嬉しいです。

また、お茶の水ナルでの大坂昌彦ゴールデンウィークスペシャルも
ようやく編成がフロント入りのものになり
お客様も沢山きていただき活気が戻ってきました。
このまま各地でのライブやイベントに活気が戻ると良いのですが。
誰しもが安心して日常を楽しみたいのに
その対応をめぐって意見の違いが不毛な争いになる
そんなことが今後は無いように願っています。

その他、充実したライブに呼んで頂きとてもありがたく思っています。
いくつかのプロジェクトが同時進行していますが
どれもが人々の心を癒し活気を与えるものになりますように。

読書では、久しぶりの村上春樹さんの新作「街とその不確かな壁」を読みました。
長編ですが、途中からぐいぐいと引き込まれていきました。
物語が織りなす内容が、まるで音楽のようにポリフォニーを描き
やがては一つの幻想の世界へ自然と誘う。
さらに、村上春樹さんのどの作品にも共通するライトモティーフも
しっかり描かれていて、流石だと思わされました。
内面描写が素晴らしく
誰しもが抱いている曖昧さへのもどかしさ
みたいなものが優しく肯定されているのでv 読んだ後に、少し心が軽くなっているのも春樹さんらしいところ。
そんなところが多くの人々の心をつかむのでしょう。

音楽も凄さ、速さ、複雑さ、新しさなどがクローズアップされがちですが
本来の目的は優しく寄り添って、励ましを与えるものではないか。
そんなことを考えさせられる本でもありました。







4月30日

みなさんは花粉症は大丈夫でしたか?
僕は数年前に突然デビューして以来、4月になると涙と鼻水が止まらない日々が続きます。
今年は特に症状がひどくて、初めて病院に行って薬をもらいました。
どうやらスギではなくヒノキアレルギーらしいです。
それに加えての黄砂も大量に飛んできて症状が悪化したようです。

薬のおかげもあって4月の恒例となっている東京交響楽団とのコンサート中は
なんとか鼻水をたらさずにすみました。
そのコンサートはずっと佐山さんが手がけてきたものですが、
今回は武本和大くんを大抜擢。
ピアノパートはクラシックと読譜力とジャズの力量が試されるのですが
見事にやってのけてマエストロ秋山さんもご機嫌でした。

自分のトリオでの活動も充実。
先月ツアーのあった平倉初音さんのツアーファイナルも盛況。
さらにさまざまな素晴らしいミュージシャンとのセッションもあり。
また、作曲家の池頼広さんの手がけるアニメ「タイガーアンドバニー」の
ジャズライブもあり充実した音楽生活に感謝の日々です。

また、読書が趣味な僕としては川上未映子さんの「黄色い家」を読了。
川上未映子さんは以前、村上春樹さんと共にライブを聴きにきていただいた事もあり、
その後、村上JAMなどでも再会して
著作をわざわざ送っていただいたりしておりました。
今回はちゃんと購入させていただきましたが、
あまりの物語の吸引力に一気に読み終えてしまった感じです。
人の心の奥のヒダを言葉にできる作家の力はすごいと改めて思いました。
読んだことをツイートしたらご丁寧にリプをくださり感激しました。

その勢いで村上春樹さんの新作「街とその不確かな壁」も読んでおります。
読書は本当に脳内のあらゆるところを刺激して
自分の視野や感性を広げてくれますね。

先日読んだナヴァル・ラビカントの本にもとにかく読書は重要で
手当たり次第に読め、と書いてあったことを思い出しました。
ミュージシャンに当てはめると、とにかく聴け、ということですね。

5月からまたトリオのツアーが再開します。
皆様の心を少しでも豊かにできるように心を込めて演奏します。







3月31日

ようやく寒さも和らいできて、着るものも心も軽くなってきました。
ライブの現場も徐々に活気を取り戻してきました。
ここからどうするか、それがミュージシャンたちに与えられた課題です。
コロナ禍で縮こまった人々の心を癒し、活力を与える本物の音楽を演奏するか。
そんなことを考えて魂を燃やして行きたいと思います。

今年も井上陽介トリオのツアーが始まりました。
過去3年間、コロナ禍に翻弄されながらも、
地道に良い演奏を追求し、
活動できる範囲で真剣に音楽に取り組んできたもの。
それを、聞く皆様には堅苦しくなく心から楽しんでもらえるように
磨きをかけてきた成果を今年は聞いていただきたいと思います。
ジャズという音楽の本質がどこにあるか。
それは人ぞれぞれだと思いますが
その場で即興的に物語を紡いでいく面白さと発見は
他のジャンルには無い楽しさだと思います。

3月は大阪、名古屋、大津、富士と伺い
沢山のお客様に来ていただきました。
ライブ会場に足を運んでもらえること。
皆様の心遣いに本当に感謝しております。
トリオも熱演でそれに応えることができたと思います。
今年はさらに一歩前進との心意気で
ツアータイトルも「One Step beyond」として
この先もツアーを敢行して行きます。
応援していただいているファンの方からノベルティとして
団扇とステッカーを作っていただきました。
こちらも大好評です。
みんなで楽しみを作っていく。
これに勝ることはありません。

そして新たな才能を世の中に紹介するべく
若きピアニスト、平倉初音さんのアルバム「Wheel Of Time」の
発売記念ライブも大好評でした。
各地で繰り広げられる熱演に多くの人々が感銘を受けたと思います。
久しぶりにアルトサキソフォンの盟友、池田篤くんとの
ガチンコの演奏も感動でした。
二人の歴史は語り尽くせませんが、
ニューヨークでも同じ時期にもがき続けた仲間です。
こうして元気で共演できることに感謝しております。

そして人気を博した連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」のツアーとコンサート。
作曲家の金子隆博さんに沢山参加の機会をいただき
一年たった今でも沢山の人々に愛されている番組だと改めて認識しました。
世良正則さん、城田優さん、濱田マリさんなどゲストも豪華。
オーケストラもとても素敵でした。
音楽と共に素晴らしいストーリーが蘇ってきました。
こちらもお越しいただいた皆様、ありがとうございました。







2月28日

比較的穏やかなペースの2月でした。
が、しかし!トリオにとっては今年のピークが既に来てしまった!
なんとあの渡辺香津美さんがゲストに参加してのトリオのライブがサテンドールにて。
しかも僕たちのレパートリーの曲を演奏してしまうという。
もう、最高にかっこよくて痺れました。
香津美さん、本当にありがとうございます!
そして活動を続けてきたトリオのガッチリしたサウンドが確実なものと確信しました。
メンバーの武本、濱田両氏には感謝です。
沢山のお客様に来ていただきありがとうございました。

その後のお茶の水ナルでのライブも超満員で嬉しかったです。
こちらも大いに盛り上がったライブとなりました。
感謝感謝。

演奏活動が緩やかだったので、コンサートに出かける余裕も。
ブラッド・メルドー氏のソロコンサートを紀尾井ホールで聞きました。
ニューヨークにいた時にセッションで一緒になったり
ツアー先の空港で会ったりと面識もあるのですが
演奏家としてはとんでもない境地に達してしまいました。
まさにその道を追求し続けてきた者にしか出せない音。
無理する部分も気合いで押し通す部分も全くなく、
自然と湧き出るイマジネーションに忠実に
どちらかというと淡々と演奏。
しかし、音楽のいく先は変幻自在。
クールな印象とは裏腹にパッションあふれる内容でした。
大いに良い刺激を受けました。
今後の僕の音楽家人生にも大きな勇気をいただきました。

そして今年は新譜ラッシュになりそうです。
定期的に続けてきた素晴らしいピアニスト、
堀秀彰くんとのDUOのアルバムのレコーディングが終了しました。
まさにジャズの醍醐の丁々発止のインタープレイから
美しい繊細な世界までDUOならではの音楽です。
発売は秋頃の予定。
楽しみにしていてください!

スティーブ・ガッドさん、塩谷哲くんと収録した
銀座ヤマハ店のカフェにおけるリアルサウンドビューイングも
週末の閉店後に特別に見せていただきました。
まるでミュージシャンがそこで演奏しているかのような
近未来の世界。
期限が少し延長されましたのでまだ見ていない方は是非!

その他、大変楽しい演奏の現場に呼んでいただき
その度に、自分は恵まれている、と感謝の気持ちが溢れます。
これから聞きにきてくれる方々が夢中で過ごせるような
幸せを沢山運ぶような音楽を目指して演奏し続けますので
どうぞよろしくお願いします。




1月31日

昨年よりは幾分落ち着いた新年です。
感染症の脅威は去ったわけではありませんが
世の中は、そして世界中が動き出しております。
来日ミュージシャンもジャンジャンくる感じですね。

今年の井上陽介トリオの活動も始動しました。
今年は一歩前進の年ということで
「One Step Beyond」とツアータイトルを決め
オリジナル曲も書きました。
既にライブで演奏をしていますが、これがとてもいい感じです。
その他、新レパートリーも増えて来ました。
ぜひ、各地で皆様に聞いていただきたいです。
僕も還暦一歩手前になりますが
まだまだ前進の気概を持って進んでいきます。

先日来日していたスティーブ・ガッドさんとも再会できました。
「また一緒に演奏しよう!」と力強く言ってもらえて天にも昇る気持ちです。
昨年夏に収録したヤマハサウンドヴューイングがいよいよ公開になります。
まずは銀座のヤマハにて2月8日から24日まで。
このトリオの演奏が記録に残せたことを本当に嬉しく思い、
また誇らしくも思います。

そしてそのスティーブさんも縁の深いマイケルブレッカートリビュートバンド
今年も体の芯から力を振り絞って演奏しました。
このレベルの音楽を作り上げ、演奏し、なおも発展させた彼の底力を思い知ります。
10年目でしたが、やっと少し余裕を持って楽しめるようになりました。
10年かかるんですね!

今年は録音に参加したアルバムのリリースが沢山あります。
もうCD発売、というのが微妙になって来ましたが、
一つの形となって皆様に聞いていただけるの何よりの喜びです。

昨年から続いていた『古澤巖×山本耕史コンサートDandyism Banquet』の全日程が終了しました。
誰も見たこともない聞いたこともない、あのメンバーだから出来る不思議な世界観をお楽しみいただけたかと思います。
みんなで意見を出し合ってどんどん進化していく様子は感動的でした。
手応えがあったのでシーズン2もあるかも知れません。その時は是非!

今年も浮き足立つことなく、地に足をつけて一歩ずつ歩んでいきたいと思います。







1月21日

皆様、遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
昨年は大変貴重な体験を沢山させていただき感謝の気持ちでいっぱいです。
皆様には沢山の応援をいただきありがとうございました。
今年もよろしくお願いします。
年末年始は比較的のんびりと過ごしました。
きっちりと紅白歌合戦、初詣、駅伝、書初め、とんねるずと堪能し
あっという間に休みは過ぎていきました。
どうしてお休みの日々はあっという間に終わってしまうのでしょうか?
ちなみにおみくじは小吉。
昨年は凶。それでも大変良い年でした。
ちなみに大吉を引いた年は割と災難がふりかかる年になるので
大吉は引かない方が良いようです。
というか、おみくじはあまり関係ないのかもしれません。

年始の初めのライブは自分の井上陽介トリオのライブでした。
正月に衝動的に生まれた新曲を早速試しなかなかいい感じに。
タイトルも今年の意気込み、一歩前進を表す「One Step Beyond」
と名付けました。
これは、今年もますます、自分の演奏と音楽と向き合う心意気でもあります。
ツアータイトルも「One Step Beyond」として
3月から6月まで全国を回ります。
状況はなかなか落ち着きませんが、音楽が皆様の心の栄養と
一歩前進の勇気を与えることができるように 心を込めて毎ライブ演奏したいと思います。
詳しくはスケジュールに随時更新していきますので
ぜひ、お近くの方は僕たちのトリオの音楽を体験してください。
また、他のプロジェクトも楽しみなものばかり。
そちらもぜひ楽しみにしていてくださいね。

では今年も一歩前進!よろしくお願いします。








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