日本人ジャズミュージシャンのためのNY生活サバイバル情報
国が違えば色々と苦労はつきもの。ここではガイドブックなどにはあまり載っていない情報を載せてありますので、ミュージシャンの方も、そうでない方も是非役立ててください。
まず英会話から
ビザを確保
住むところ
食生活
日本語のエンターテイメント
医療
ジャムセッション
レッスンをとる

まず英会話から

恐れていてはだめ。シャイな人もそれなりに話をしなければならない。落ち着いておもいきって話す事が大切。ただし向こうが何を言っているかわからないときははっきりわかりませんと言わないと誤解を招く恐れがある。特に日本人はわからなくてもうなずいてしまう癖があるので注意。ゆっくり喋ってくださいとか簡単に喋ってくださいとリクエストするのも良い

ビザを確保

不法滞在者の取り締まりは年々厳しくなっている。また少しでも不法滞在者になった事があるといざビザが取れる段階になっても拒否されてしまう事があるので移民局を甘く見ない方が良い。

一番手っ取り早く取れるのが学生ビザ。どうせなら英語も勉強しなければいけない事だし英会話学校で取るのが簡単で役に立つ。最長で5年おりるが、なるべく大学付属か良い学校で有名なところだと取れやすい。逆にいかにもあやしそうなとこらだと書類がそろっていても拒否されたり短いものしか出ない事がある。そして貯金はなるべく取りたい年数の生活費分だけあると良い。親などの貯金でも良いがその場合、英文で親が生活を保証するという手紙をつけたほうが良い。

良い学校は授業料が当然高い。しかし一度ビザが取れれば有効期間ないなら転校してもビザは生き続ける高い授業料の所でビザを取り安い学校に転校して学費を稼ぐという手もある。ただしビザがあるからといって学校に行かなくても大丈夫と思うのは間違い。週20時間の授業を受けなければならない事になっており、欠席の多い学生は学校の方から移民局のほうに通知が行ってしまい知らないうちにビザが無効になっていたというケースが良くある。

語学に自信のある人は音楽学校に行くのもお薦め。有名なミュージシャンが先生をやっている学校ではコネクションで仕事などがもらえたりするし、将来有名になりそうな人が必ず一人はいるのでお友達になっておくのも◎。卒業後にワーキングビザに切りかえられる可能性があるのも魅力。

やはり音楽学校も授業料が高い。そこですこしでも奨学金を取ることをお勧めします。いろいろ書類を提出したり面接を受けたりオーディションがあったりと面倒だが、結構な額が出る場合があるので頑張りましょう。

生活

アメリカの税務局(IRS)は泣く子も黙るといわれているほど厳しい。だから働けるビザ以外の人はなるべく働かないほうが良い。なぜなら脱税になってしまうからだ。脱税は金額によって懲役の長さが決まる。懲役200年になった人もいるほどだ。

しかし海外生活は何かとお金がかかるもの。やむを得ずアルバイトをしなければならないひともいる。学生は基本的には働いてはいけないのだが、目をつぶって雇ってくれるとこもある。一番手っ取り早く短い労働時間で高収入を得るのはやはりウェイター、ウェイトレスだ。そのほかベビーシッターなど現金で支払いを受けるところは比較的安全。OCSニュースなどの新聞の求人広告や日本食レストランの前にある掲示板などで情報を得られる。

住むところ

基本的には賃貸アパートに住むのが普通。アパートとは日本で言うマンションの事。アメリカでマンションというと大金持ちの大きな家の事を指すので間違えて「マンションを探しています」などというととんでもない事になる。

マンハッタン島内は基本的に家賃が高い。しかしいろんな所に行くには便利。出不精の人はマンハッタン内にすんだ方が良いかも。そうでない人はブルックリンやクイーンズに住む。ただしこの場合ブルックリンやクイーンズのアパートは大きいものしかないので何人かでシェアーするのが一般的となる。ルームメイト募集はいろんな所から情報を手に入れることが出きる。見ず知らずの男女がルームメイトになる事も良くあり、その場合でも比較的安全なようだ。

アパート情報はヴィレッジボイスやNYタイムス等でも得られるが、日本人のために斡旋してくれるところもある。学生などには貸し渋るところもあるのでこういったところに頼むと楽ではある。そのたやはりOCSなどの日本語の新聞や日本食レストランなどにある掲示板で結構沢山の情報を得られる。

食生活

よほど生活に余裕がある人を除くと、手っ取り早く生活費を切り詰めるには食費を安くあげることだろう。 NYで安くて美味しいものの代表はピザだろう。その他チャイニーズの出前は早くて安くて量も沢山あってお徳。日本では食べられないようなものもまめに探していると結構いろいろある。

しかし何と言っても自炊がいちばん。米は日本ののササニシキを改良してアメリカで育てている「錦」というのがあってほとんど日本の米と変わらない味のものがある。昔のようなカリフォルニア米のイメージはもうない。しかも値段が日本と比べるととても安い。

日本の食材を扱っている店もある。「サンライズマート」や「サンボック」などではちょっと割高だがほとんどなんでも手に入る。また日本食レストランは沢山あるので恋しくなったらいつでも食べられる。ただしアメリカナイズされているところが結構多いので「あれっ」と思うような味に出会う事もしばしば。

日本語のエンターテイメント

日本語の書物を手に入れたいなら「紀伊国屋」か「旭屋書店」にいくとよい。雑誌なども少し遅れて手に入る。日本のCDなども扱っている。

テレビで日本語の番組もやっている。朝7〜9時にニュースと日替わりでドラマやバラエティー番組をやっている。チャンネルはケーブルテレビで73チャンネルなど受信方法によって異なるので日本語の新聞でチェックをした方が良い。ケーブルでは1日中日本語放送をやっているjapanTVというチャンネルがある。ただし別料金。

おそらく違法だと思うが日本食料品店で日本の番組を録画したビデオをレンタルしている。日本語が恋しくなったらどうぞ。

医療

なりたくなくても病気になってしまう事もある。保険には入っていたほうが良い。留学生なら日本の海外旅行者保険に入るという手もある。これはアメリカの保険会社に比べると格安。成田などの空港に窓口があるのでそこで入ってしまうと良い。

医者は日本語の通じる医者が沢山いる。OCSニュースに広告が沢山出ているが大体は信頼できる。

アメリカは医者のところでは薬はもらえず処方箋をもらってドラッグストアに自分で買いに行かなくてはならない。風邪薬などは日本で買って持っていくと良いかも。

ジャムセッション

とりあえず演奏するには仲間が必要。しかし日本での活動経歴はNYではほとんど役に立たない。そこでジャムセッションにいって仲間を見つけるのが常套手段。そこでいろんな人の演奏も聞ける。ただしNYはいろんなレベルの人が臆せずセッションに来るので自分の気に入った人に出会うまで多少時間がかかることもある。

普通はいろんなジャズクラブのアフターアワーと呼ばれるライブの終わった後にジャムセッションが行われているところが多い。毎週月曜日などと決まった日にやっているところもある。ヴォーカリストはよほどでないと敬遠される事が多い。そこでオープンマイクと称してヴォーカリストの日を設けているところもある。

ジャムセッションではまず名前を書く紙に楽器名と自分の名前を書いてジャムセッションのホストが呼び出すまで待つ。呼ばれると大体その場で誰かが曲名を言ってはじめられる事が多い。だから曲はなるべく沢山覚えていた方が良い。リアルブックなどで探している暇はないものと思ったほうがいい。知らない場合ははっきりと知らないといったほうがいい。そのときは自分の知っている曲を提案するのがエチケット。

セッションは仲間を探している人が行くところであるので自分勝手な演奏や長すぎるソロは控えた方が良い。それでいて自分というものを出さなくてはいけないので本当の実力が問われる。聞く耳を持っている人は必ずわかってくれると信じる事が大切。

ジャムセッションにまめに何回か通っていると顔を覚えてもらえる.そうするといちいちサインアップしなくて良くなったり、プロミュージシャンがつとめるホストバンドといっしょに演奏させてもらえるチャンスが生まれる。また有名な人もちょくちょく顔を出すのでそんな人との出会いも生まれる可能性がある。

電話番号は必ず聞かれるので名刺を用意しておこう。仕事が回ってくる事もしばしばある。

ジャムセッションなどで知り合いが出きると今度は人のうちでセッションが行われる。NYのアパートでは昼間は音を出せるところが多い。そこでは思う存分出きるので皆手を抜かない。思わぬ人が顔を出すこともある。皆演奏したくてうずうずしているのだ。

ちなみに取り上げられる曲は日本では「酒とバラの日々」や「枯葉」などが多いがNYではもう少しこむずかしめの曲がよくやられる。「アイ・リメンバー・ユー」や「ステイブルメイツ」などが代表的。時には「モーメンツノーティス」や「ジャイアント・ステップス」などやることも。

レッスンをとる

学校などに行かなくても有名ミュージシャンからレッスンを受けるのは比較的簡単。ライブを見に行って終わった後に思いきって話し掛けてみると意外にすんなりOKしてくれる。値段はいろいろだが有名な人ほど高いと思って間違いない。しかし知り合いになれるので価値はある。

とにかく足を使ってまめに行動する事が基本。有名なミュージシャンですらいろんなライブハウスにしょっちゅう出入りしている。

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